工事データ
名称 | (非自航船)はえんかぜ |
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設置場所 |
長崎県五島市椛島 鷹ノ巣鼻灯台の南西方約1.7km 北緯 32度44分27秒 東経 128度59分45秒 |
形状寸法 | 全長 172m (喫水:76m ハブ高さ:56m ロータ直径:80m) 浮体直径 最大 7.8m タワー直径 最大 4.8m 重量 約3,400ton |
構造形式 | ハイブリットスパー型 |
係留 | 3点係留カテナリー方式(鋼製チェーン) |
風力発電機 | ダウンウィンド型(最大出力: 2000kW) |
その他 | 海底ケーブル 延長 約2km |
工事概要
国内の中長期的な温室効果ガスの排出削減を進めるためには、再生可能エネルギーの導入を強力に推進する必要があります。我が国は、排他的経済水域の面積が世界第6位の海洋国であり、平成22年度に環境省が実施した再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査の結果によると、陸上のみならず、洋上にも風力発電の大きな導入ポテンシャルを有することが明らかになっています。
また、洋上は風速が強く、その変動が少ないため、安定かつ効率的な発電が見込まれ、その実用化が期待されています。
洋上風力発電のうち、水深が浅い海域に適した着床式については、国内3ヶ所で運転を開始しており、経済産業省においては風況観測システム及び風力発電システムの実証研究等が行われています。
一方、より深い海域に対応する浮体式については、世界的でも実証事例は2例しかなく最先端の技術です。日本は西欧に比べ風が強く遠浅な海域が少なくすぐに深くなるため、この浮体式が有効と考えられていましたが、国内での導入事例はありませんでした。
このため、環境省では、我が国初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置することを目指して平成22年度から実証事業を開始しています。候補海域(長崎県五島市椛島周辺)の選定、環境影響評価方法書案の作成、100kW風車を搭載する小規模試験機の建造などを行い、平成24年6月には小規模試験機を実証海域に設置、国内で初めて一般家庭向けの送電に成功しました。同年9月には戦後最大級となる台風16号が五島列島付近を通過し、世界で初めて台風の直撃に耐えた浮体式洋上風力発電施設になりました。
平成25年10月には、我が国初となる2,000kW風車を登載した実証機の設置を完了し、発電を開始しています。
工程図